出でよ!風林火山!!





聞こえる…音がおかしい。
波の音が鼓膜を。
脳に直接。
大音量。
世界が回る。
私の体が――。
動かそうと思うだけ。足を、手を、指を――。
やはり、思うだけで動かせない。
「君は………か」
風を感じる。
「君を……してもいいか」
体が重い。
「君は生まれ変わる――」
頭が真っ白になる。


黄色、黒、赤、白。
私が一番最初にみた映像。
「動けるか?」
しだいに鮮明になる映像。
「ここは…?」
小さなクレーンが目の前で動いている。
プシュー…
私は起きあがる。
「どうだ。気分は?」
人がこけし人形くらいの大きさにみえる。
ウィー…ン
「あなたは?」
白いおかしな服を羽織った30歳くらいの男は不敵な笑みを浮かべて言った。
「実験は成功だな」


私は空を飛んでいる。
あの男を手にのせて――。
私は男に希望をもらっていた。
体は15mくらいもあり、力もある。
どういった原理で空を飛んでいるのか知らないが、今現在飛んでいるわけで否定はできない。
「どこに向かう」
「私は京の都を目指す。栞の手がかりをみつけるために」
男は言った。
「ならば急がなくてはなるまい」
「なぜ?」
「すでにいるのだ。おまえの妹、栞は」


「これはひどい……」
京の都についた時。すでに都は半壊していた。
「………。あれは?」
遠くで何か巨大な物体が動いている。ロボットだ。
「士郎よ、あれがおまえの妹だ」
「…?今、なんと」
「おまえらは二人でひとつなのだ。さぁ、いくのだ」
「ああ、わかった。ありがとう白い人」
なぜ栞もロボット化しているのかについてはなにもわからない。
ただ、ひとつだけわかるのはそこに栞がいるということだけ。
「しおりーーーーーー!!」
「まさか…兄様!?」
「しおりー」
「兄様―」
白衣の男は二人が抱き合う瞬間!右手にもっていたリモコンの赤いボタンを押した。
「今だ合体!」
士郎と栞の二人――いや、2体のロボットの瞳の色が変わる。
「風林火山!」
そして、周りにまばゆいばかりの光が満ちた。


合体!!


できなかった。
二人から発生した愛の炎はその夜ずっと燃え続けたとさ。





あとがき

昔々に書いた小説。
続きを書こうかとがんばってみるが設定をほとんど忘れていたため
途中で断念→あきらめ→放置→無理やり終わらす→現在のこれ。

先着一名様に『絵』か『ポエム』のリクエスト承ります。
誰も読まないって可能性が大だけどね〜アハハ・・ハハ・・ハorz

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