鳥籠の中の処刑人


残忍 恐怖 鮮血 闇 絶望 みんなみてきた
裏切り 凶変 死に際の顔 知らぬものはない
気付いた時には光はなく
裸足で闇が逃げていた
触れるものはみな砂へと変わり あとを残さず土へ返る
生の年月知らずに謳う 子供を憾むか 怨むのか
残るは悲しき数の地獄絵図 神の涙か いたずらかを
知るべき人はここにはおらず いたとしても意味をなさず
夢を欲し 雁首揃えて口揃え
布切れ一枚親子連れは弁え知りし箱船人

ある意味――私たちは生まれながらに理解しているのかもしれない。
ただそれから目をそむけているだけなのだ。


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