The believed world ☆(信じた世界)


天に届くか 雨は世界を貫いた

刹那という一瞬の出来事 彼の人は右手になにを掴んだのか
許されることのない(触れることの許さない)あなたへそっと手を伸ばし 太陽に焼かれ
一つ世界を知ったあなたは蒼い海へ落ちてゆく


一人戦ってきた 加速してゆく俺自身をもってしてもこの世界は止まらないのか
砕け散る奥歯はどこへいったのか けして武器をもたず 歩きつかれ立ち止まると鳴く子が迫ってくる
絶望なんぞ生ぬるく 執拗なんぞ軽すぎる それは世界であってみんなであり そして私ではなかった
気づいた時にはすでに遅く 身体の色が変わるほど鳴いても終わらない

愛などどこにあろうか 夢などどこへいったのだろうか
すべては壊れかけ 核をなくし なお 壊れ行く中で俺は俺の幻を見るのだろうか
死とは決定であり 責務であり わかりきっていたことだ
順番なんぞ意味をなくし 【存在(ある)】 それだけに意味があった

ピースを集め それを繋ぎ合わせる しかし それだけだ わかっていたのだ
この欠片はここの欠片ではないということを
ゆえに止まらず生き急いだ 足はもげ 腕は切り落とされなお 前に進む
半身はすでになく 己をみることさえ敵わないというのに

その瞳にはなにが映っているのか なにもなく なにも感じず なにも残ってはいなかった

あるのは、
―――たったひとつの 己のみ


生きた 生きていた 存在はここにあった しかしここはどこだろうか・・・
激情は鳴り止まずテンポよく 悲鳴を運んできた
―――これは、
誰か? 俺か? ボクか? それは ―――わからない

今回は『Fate』というゲームが元ネタです。

人はなにを求め、なにを糧にして生きていくのか。
自分の存在理由などがわからなくなること、 または存在に意味を求めてしまうことがあります。

だけど――僕らは生きていく。きっと、自分を貫いていくために。


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