芽生え


沈みゆく太陽がゆらゆら海に飲み込まれてゆくようで
それをみて悲しくなるなんて思わなくって
家にたどり着いたときに 鏡に映ったぐしゃぐしゃな顔が自分だとは思わなくって
気付いて涙を拭って もう一度みてみるけどそれは錯覚で
それでふと 元気に笑ったのはいつだっただろう とか
笑わなくなったと言われたのはいつ頃だったろう とか
考え始めて気付けば 陽が登るのをずっと待っていたんだ
まだ眩しいだけで 冷え切ったカラダは暖まらず
それでも もう少しだけと 昇る太陽を眺めていようと思った
朝露に濡れた草や花 静寂の中響く 一つ一つの音の中にいて
一日が始まるのを僕は知った 今日が始まる

太陽をテーマに製作いたしました。
このお題をいただき、まずどう料理するか悩みました。
太陽と地球。そのうえで生活しているのが人間です。
太陽は大きな力だと思います。
熱量的な意味ではなく、存在やそこにあるということでさえも。


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