二人の教室


いつからだろう あなたを好きになったのは
いつからだったろう あなたのことを目で追っていることに気づいたのは
窓際の一番後ろの席に私はいて 斜め前の手を伸ばせば届きそうな そんな席にあなたはいて
黒板みるフリしながらあなたを見ていた それは恋の季節

いつからだろう キミのことが気になり始めたのは
いつからだっただろう キミのことを好きだと気づいたのは
黒板写すのに必死で 授業についてくのに必死だった僕は なにかを踏んだ
白い消しゴム まだ角が残っている新しいやつで
踏んだのを謝ろうと思いながら持ち主を探し 振り返った先に
真っ赤な顔をした少女が一人 僕を睨んでいた
「ごめん」と一言 逃げるように黒板を見て 無心で書き写す
「ありがと」と一言小さな声が聞こえた気がした それは寒い1月の出来事

消しゴムを 中指でコロコロ転がして遊んでいたら 消しゴムが机から落ちてしまった
だけど気づいて恥ずかしくなった あなたの方向へ無意識に飛ばしたことに私は気づいたからだ
身体が熱くて落ち着かなくて消しゴムどうしようか悩んでいたら 消しゴムを踏まれた!
あなたがこちらを振り向くのがスローモーションのように とても とても 長く感じられて
(えぇ!もう、どうしたらいいの?) わからない顔のまま あなたを見つめた
この瞬間 私にとっては二人だけの教室だった

mixiでリクエストされたので書いた作品です。
色々な教室を舞台に考えたけど、鬱なものばかり書いてるから王道っぽいものを。
すでにポエムとは呼べなくなってきている気がするが気のせいだろう。
文章から女性の戸惑いや混乱してるのが伝わればいいなと思います。


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